読書
2007年08月23日
つけものばんざい
梅干も日本刀も素晴らしい日本の文化です。
日本刀研いでますか?
梅干食べてますか?
日本は世界に誇る漬物王国です。塩・酢・味噌・醤油・三五八・糠・漬け床になるものも、漬ける物もたくさんあります。
元来、保存のための食品ですが、その保存性だけでなく、発酵によるうま味がたまらなく人をひきつけます。
ところが悲しいことに、スーパーなんざではまがい物が多ございまして、一口食べてげんなりすることになります。
このいそがしいご時勢、家庭の奥様方がそれを利用するのは仕方がないことでございます。
ですがね、その辺の食堂なんざに行ってまでも、駄菓子屋の20円のジュースみたいな風味のする漬物出された日には、悲しくって涙が出てきやす。
あぁ、世知辛い世の中だ。
時は江戸のご時勢、「江戸わずらい」なる奇病がありました。
江戸にいる人々だけがかかりまして、手足のむくみから歩行困難に陥り、最悪の場合お陀仏です。地方から江戸に来た人もその病気になりまして、地元に帰ると治ってしまう、不思議な病にございます。
今の病名では「脚気」。ビタミンB1の不足が原因でございます。
江戸の中頃には米を精米して、庶民でも白米にして食べるようになりました。取り除かれた糠にはビタミンB1が多く含まれています。そんなわけで玄米を食べる地方在住者はわずらわず、江戸にいる人だけが奇病に悩まされたわけです。
こんな話を聞きますと、白飯を糠漬けでかっ込むのがうまいわけが判るような気がします。
世界には星の数ほど漬物があります。凄いものもいっぱいございます。
世界一臭いとされるのは「シュールストレミング」、スウェーデンのニシンの缶詰です。缶に詰めたあとも発酵を続けており、缶がパンパンに膨れているのも特徴です。缶を開けると強い臭気がほとばしるそうで、「屋内で開缶しないでください」という注意書きにもうなづけます。
イヌイットにはツバメ(の一種)の漬物がございます。肉を取り除いたアザラシの腹の中に、たくさんのツバメを縫込み、土中に埋めて発酵させます。数ヶ月から数年保存しまして、食べるときはツバメの肛門から、その体液を吸います。厳しい冬を生き延びなければならない彼らにとっての、格好のビタミン補給となります。凄い知恵じゃありませんか。
私が最も感動したのは「ふぐの卵巣の糠漬け」です。日本の石川県の名産でございます。
致死量ベースで言いますと青酸カリなんざ目でもない「テトロドキシン」という神経毒、これがふぐの毒の正体であります。その毒がたくさん詰まっているふぐの卵巣。これを漬物にすることで無毒化するなんてびっくりするじゃありませんか。
漬け込む時間は最低でも2年。まさに匠です。出荷時には毒性の検査も行うのでご安心を。
この漬物は江戸の時代には作られていたようです。
決して食べられないものを、食べ物に作り変えるこの技、好奇心。
頭が下がります。
私は品川のとある古酒バーにて、ふぐの卵巣の糠付けを賞味したことがあるのですが・・・
なんというか、感動でしたね。
うまいとかまずいとかではなく、まさしく感動。
日本の英知ここに極り、ニッポン万歳。
「発酵食品礼賛」 小泉武夫
という本にこの辺のことが詳しく書かれていたはずです。
読書記事だっていうのに、出典が不明瞭ってのもどうかと思うのですが・・・本が見つかんなかったんで堪忍してください。
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2007年08月20日
梅干と日本刀
いまだにのどの調子が悪いサムライです。
そんなサムライが、明後日の地元ラジオに出演らしいです。3分間だけらしいですが。生放送なので、ぼろを出さないようにがんばります。のど痛いけど。
で、絶不調な日々が続いてまして、このところ一日10時間以上睡眠の日が続いてます。夕飯を食べると、ベッドにGO!!
かといって、すぐに眠れるわけでもないけど、横にはなっていたい。そんな自然な流れから、恐ろしいほど本読みの日々でした。
サムライライブラリーには新書コーナーがあります。生物学・植物学・神話系・日本文化・江戸文化・食物関係などは強力な品揃えです。そのくせ、新書でメジャーなカテゴリーの時事ネタ・ビジネス系がまったくないところが、抜く手も見せぬバッサリ加減です。
そんなこんなで(何がだろう?)、敬愛するあお空さんのように、本日はちょっとばかり読書ブログになってみます。
あんまりマイナーな本を選ぶとアレなんで、ちょいと有名どころ
「梅干と日本刀」 樋口清之 祥伝社黄金文庫
・・・・有名なんですかね?私はこの本を何気なく手に取るまでは、まったく知りませんでした。でも、解説を見ると120万部売れてたシリーズの完本らしいので、有名だったのでしょう。うん、そうだ。
日本の伝統的な価値・もの・制度って、あんがい凄いんですよ。てなお話です。
例えば建築方法ですと、日本と西洋だと『自然』に対する考え方が違うと指摘します。西洋では『自然』を制御できるものと捕らえ、日本はできないと考えると。
毎年氾濫する川があるとします。西洋では、その水流・水かさに対抗できる丈夫な素材で堤防を建てます。
ところが日本人は、無理って考えます。
ならどうするか、一挙に阻止しようとしないで、堤防を強化するのとはまったく逆に堤防をきってしまいます。そしてその外側に第二の堤防を築き、エネルギーを分散して、その勢いを殺しながら、最後には一まとめに戻す工夫をします。これが釜無川の信玄堤(しんげんつづみ)です。これは実はすっごく科学的じゃないの?
その他にも「世界が真似できなかった日本刀の技術」「村八分を非人道の極みというのは間違い」等の興味深い話が載っております。
日本ばんざ〜いと、日本文化を学ぶ上で格好の入門書となります。
でも、全部をそのまま鵜呑みにしないでくださいね。
酸性食品・アルカリ性食品を使って真面目に論じてたりしちゃうので・・・
著者の出発点が日本の伝統的なものって・・・という懐疑から始まってるので、読む方も常に懐疑心を持って読書しましょう。
うん、オレ良いこと言った気がする。
今、気付きました。新書の話ししながら、この本文庫本だった・・・・
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